Posts Tagged ‘求人サイト’

中国の求人サイトはなぜ腐ってだめになってしまったのか?

Tuesday, August 19th, 2008

中国の求人サイトの現状及びその原因についての文章をお送りいたします。文章が長くなってしまいますが、中国IT産業の現状をある程度理解しやすくなると思いますので、最後までご覧ください。

中国の求人サイトはなぜ腐ってだめになってしまったのか?

現在中国の求人サイトが面している状況をみると、求人サイトが市場を腐らせてしまったように思える。

ここでいう普遍的な現象とは、人材を募集する会社に多くの無意味な履歴書が届けられ、多くの時間を割いてそれらをふるい分けることになる、ということ。問題の核心をたどっていくと、なぜそんなに多くの無意味な履歴書が届くのか?ということにたどり着くのだが、これは単に履歴書を送るコストが安すぎることだけが原因なのであろうか。

JavaEye(作者が運営しているサイト)まで届いた履歴書からみると、この問題は存在していない。基本的に発送者の目的意識が高いため、あちこちに履歴書をばらまくことがないのだ。一方、51job(中国の規模の大きい求人サイト)などのサイトで前述の現象が出ているのは、実のところサイト自身がそうすることを推奨していることと大きな関係がある。

原因は実はとても簡単なことだ。同じだけの資金投入でどれだけ多くの履歴書が集まるか、という基準でHR担当者が求人サイトを評価しているためである。500人民元払って千通もの履歴書が届くのと、2000人民元でわずか20通だけという場合、最終的に採用する人材が後者に揃っていたとしても、HRとしては、きっと前者のサイトに予算を組むだろう。

51jobにとって、同業のほかの求人サイトとの早期における競争は、求人のコストを下げて履歴書バラ撒きを奨励することで優勢を作り上げてきたと言ってもいい。最終的にこのような局面を作り上げ、履歴書の単価コストによって求人効果を評価するようなHRを大量に生み出した(HRも専門的な技術や能力を持っていないため、履歴書の質を比べることができない)。

まさにこのような局面が作られたからこそ、無意味な履歴書が氾濫する結果を招いたのだが、応募者にとって、履歴書の発送にはコストこそかからないものの、その後の電話や面接におけるコストはなくならない。大事な会議中に面接通知が来たら、たまったものではないし、どこの会社のどの職種にエントリーしたのか自分でも覚えていないようなことになったら、面接本番で困るのはほかでもない自分自身だ。したがって履歴書のコストが下がったからといって、それが氾濫するとは限らないはずなのだ。

問題は、履歴書を何通送っても全く音沙汰がないことに応募者が気付いたことだ。なぜ音沙汰がないのか?求人を出した会社が一度に千通あまりもの履歴書を目にして、目を回したのだ。会社はある方法によってこの問題を解決しようとするが、その結果、条件に合っている多くの履歴書も容易く淘汰されてしまい、当選する確率はとても低くなる。こんなときに応募者ができる唯一のことといえば、履歴書を送って送って送りまくることくらいである。発送のコストも低いし、何も恐れることはない、送ってしまえ!というわけで週に1000通もの履歴書を同じ職種に何度も何度も送りつけ、HRを混乱させることになる。

最終的には、三方が共同で後押しする形で、現在の状況が作られたのだ。すなわち、サイトがHRの履歴書単価コスト評価の習慣を育てた結果、HRは履歴書の質より量を重視するようになった。サイトが履歴書のバラ撒きを推奨した結果、HRは履歴書の山を処理しきれなくなった。履歴書発信の効果が薄れ、応募者は狂ったように履歴書を送りつけるようになり、HRは更に履歴書を処理できなくなった。この繰り返しである。

ここにきてHRは愚痴の一つもこぼすであろう。求人サイトはその時を見逃すはずはない。我々が履歴書フィルタを開発いたしました、キーワードにしたがってふるい分ければ、何通来ようが楽に選べるではありませんか、とHRに宣伝する。やがてフィルタを導入したHRは一通ずつ履歴書を読むことはなくなり、キーワードで検索するだけになる。応募者の運が悪く、履歴書にそのキーワードがなかったら、どんなに素晴らしい履歴書でも、第一段階でふるい落とされてしまう。応募者は納得できない。「これだけ実力があり、職種もぴったりなのに……それなら沢山送っておこう。一つの職種に何度でも。それから範囲を広げて網を張っておこうか、これだけ種をまいておけばどこかで収穫もあるだろう」とこうして悪循環が続いていく。

「サイトがフィルタまで開発していながら、なぜ応募者が履歴書を送信した段階で振り分けないのか。HRに届く履歴書を減らせば有効ではないか。」という方もいるだろう。しかし、サイトは死んでもそんなことをするはずがない。なぜなら、そんなことをすれば、HRは履歴書が減ったことで単価コストが高すぎると感じ、このサイトには広告掲載の価値なし、と判断するからである。

サイトにとってはむしろHRに大量の履歴書が届くことで、人材のきわめて豊富な最高の求人サイトであると信じ込ませ、その後で付加的な有料サービスを提供することで、スパムと化している履歴書の中から必要な人材を探し出すのをサポートすることができるのだ。これによりサイトはビジネス上の目的を達成する。すなわち、低価格な求人サービスと大量の無用な履歴書によって会社を引きつけ、1ヶ月あるいは1年の定期会員にしてしまったうえで、その後の付加価値的サービスによって、真の利益増加を実現するわけである。

現在51jobの企業求人にかかる費用は、一社の広告が月に500人民元と非常に安いが、これでは儲かるどころではない。全くの赤字操業である。しかし、サイトが儲かるのはこれによるところではない。大量の履歴書を目の前にどうしようもなくなっている企業に提供するこのサービスこそが、利益の源泉なのだ。

私の個人的な観察によれば、求人サイトとはこういうものである。大企業の大口注文と大量の中小会員の付加的サービスによって利益を上げているのである。

会費と求人広告費では全く儲けていない。こうしたビジネスモデルゆえに、サイトが今後健全な方向に進んでいくとは言いがたい。ネット求人市場はこうして腐ってダメになってしまったのだ。

募集した企業の担当者が自ら履歴書を見るのは小規模の企業に見られることで、大企業では時間と労力の節約のため、HRが必要になってくる。しかし顧客を細かく分けてみると、大企業こそが求人サイトに収益の大部分をもたらしてくれるのであり、中小企業はわずかな比率を占めているにすぎない。

HRにとっては、データによって求人広告の投入効果を数値化する必要があるため、履歴書の数はその指標となり、使った金が妥当であるか直接決定することになるのだ。また、履歴書の振り分けが日常業務の一部であるHRによって、その仕事量を減らしてくれるツールが自然と必要となる。この二つは決して矛盾しない。

オリジナル文章は:网络招聘是如何被做烂掉的?から

これは同じビジネススタイルがたとえA国で成功したとしてもB国で必ずしも成功するとはいえないことの一例になるでしょう。

科学技術のお陰で、地球が「小さく」なってきました。世界のあちこちで、人は「同じ生活」を送ることができるようになりました(食事ならマックかKFCで、買い物ならwal-martでVISAカードを、休日はPSかWillでテレビゲーム、…)。日常生活を同一化させることは簡単ですが、長い歴史を経て深層に沈殿した文化や習慣が同一になることは難しく、むしろ不可能だと思っています。

ということで、ユーザーを分析することはいつでも重要だと思います。外観でユーザーを区別できない今ならなおさら重要だと思います。ユーザーのニーズを分からないと、最後まで笑えないでしょうね。